東京都国立市 アイリス法務行政書士事務所の加藤貴世です。
「遺言トラブルを防止するために気をつける6つのこと」~後編~
①は遺留分を心に留めながら、遺言書を作成することが大切ということでした。
では、残りの5つはどのようなことでしょうか?
② 遺言はいつでも取り消しと撤回をすることができます。
一度遺言書を作成すると、簡単には取り消せないと思っていませんか?
そのようなことはありません。遺言書作成当初と気持ちが変わったり、家族構成が変わったり、状況や心境の変化はよくあることです。
そのような場合は、自筆証書遺言書であれば、法律で定められた方式に従い訂正するか、改めて新しい遺言書を作成することになります。遺言公正証書を作成した後に変更する場合は、公正証書で変更することもできますし、自筆証書遺言書で変更を加えることもできます。
どのような場合でも、法律で定められた方式で訂正を行い、せっかく作成した遺言書が無効とならないように気をつけましょう。
③ 共同で遺言することは禁止されています。
どんなに仲の良い夫婦であっても、共同で遺言書を作成することはできません。
遺言書は別々に作成しましょう。
④ 日付の異なる遺言書が存在し、前の遺言内容が後の遺言内容と抵触する場合には、後の遺言で前の遺言を撤回したことになります。
⑤ 予備的遺言や負担付遺贈を活用する遺言も検討しましょう。
将来起こるかもしれないことや、心配事がある場合に活用すると良いでしょう。
受遺者(相続人ら)が遺贈者(遺言者)よりも先に亡くなる場合に備える場合には予備的遺言を、受遺者に一定範囲の負担を課して何かを託す場合には負担付遺贈を活用しましょう。
⑥ 付言事項を活用しましょう。
遺産をどのように相続させるかは遺言書の本文に記載しますが、付言事項では希望事項を記載することができます。付言事項に法的拘束力はありません。しかし、それを相続人が読んだとき、相続人や利害関係者に対して道義的・感情的な面で影響を及ぼすという点で少なからぬ意義を有するとされています。
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