​遺言書Q&A

紫と黄色のパンジー
 

​​Q&A 法定相続人以外に財産を残したいときは?

遺言をしていない場合、遺産は法定相続人に対し、法定相続分の割合で承継されます。

しかし、優先する法定相続人(例えば、配偶者や子)がいる場合、兄弟や孫などは法定相続人にはなりません。

法定相続人以外の者に対して財産を残したいと考えたら、遺言によって遺贈を定めることが有効です。


遺贈のほかに、財産を相続人以外の者に承継させる方法として、死因贈与という方法があります。

死因贈与は、課税の面では遺贈と同様に相続税扱いとなりますが、財産を贈る贈与者と財産を受け取る受贈者の契約ですので、両者が事前に合意をしておく必要があるという点で遺贈と異なります。(遺贈の場合は、遺言者の意思のみで有効です。)

 

Q&A 財産がない場合は、遺言書を書かなくてもいい?

最高裁判所の司法統計年報(平成30年度)によりますと、家庭裁判所で話し合われる遺産分割事件は、7割以上が5,000万円以下の遺産分割です。1,000万円以下だけでも全体の3割を占めています。
これは、相続を円満に滞りなく進めることは、遺産金額の過多に関係なく難しいことだと読み取ることができます。

しかし、遺言書があれば、家庭裁判所への申立や遺産分割の協議などの手間がなくなります。

残された家族のことを考えれば、遺言書作成は最後の「思いやり」であると言えるのではないでしょうか。

 

Q&A 相続人の廃除や相続欠格とは?

相続人の廃除とは?
民法では、相続人が被相続人に対する虐待、侮辱、およびその他の著しい非行を行った場合、被相続人の意思により相続人の権利を失わせる「相続人の廃除」を認めています。遺留分の権利のある相続人が対象となります。

そして、廃除された者に子がいた場合、その子は代襲相続することができます。


相続人の廃除の手続きには、被相続人が生前にその旨を家庭裁判所へ申し立てる「生前廃除」と、被相続人が遺言書にその旨を記載し、遺言執行人が家庭裁判所に申し立てる「遺言廃除」があります。

廃除の取消は、家庭裁判所に対して廃除取消の請求をすれば、いつでも取り消せます。遺言による廃除の取消もできます。

しかし、実際に家庭裁判所に申立てても、相続人の廃除自体が認められた事例は非常に少なく、特別な事情がない限り、相続人の廃除が認められることは難しいでしょう。

<相続人の廃除が認められる例>
・被相続人に対する極端な暴言・暴行をしている場合
・犯罪又はこれに類する非行がある場合

相続欠格とは?
民法では、相続人の違法行為に対する制裁として、相続権を当然に失わせる制度を定めています。これを「相続欠格」といいます。一度相続欠格となると、それを撤回することはできませんが、相続欠格者に子がいた場合、子が代襲相続をすることはできます。


相続欠格に該当するのは次の場合です。
1.被相続人又は先順位・同順位の相続人を殺害するか、未遂に終わったものの刑に処せられた者
2.被相続人が殺害されたことを知りながら、これを告発又は告訴しなかった場合(ただし、殺害者が自己の配偶者又は直系血族の場合を除く)
3.被相続人の遺言の取消又は変更を妨害した場合
4.被相続人を詐欺又は強迫し、被相続人に遺言を書かせ、あるいは取消させたり、変更させたりした場合
5.遺言を偽造、変造、破棄、又は隠匿した場合

 

Q&A 公正証書遺言書作成時に「証人」になれない人とは?

公証役場で公正証書遺言書を作成する際、次に挙げる方は証人にはなれません。


・未成年者
・将来相続人となる人
・将来相続人となる人の配偶者と直系血族
・公証人の配偶者
・四親等以内の親族
・公証役場の書記官や従業員
・遺言書の内容が読めなかったり、理解できない人

 

Q&A 公正証書遺言書の公証役場での保管期間は?

保管期間は、原則20年です。(公証人法施行規則27条1項1号)
しかし、例外もあり、20年経過後も遺言者の生存が推定される場合などの、特別な理由によって保管の必要性が認められる場合には、その事由が消滅するまで保管されます。(公証人法施行規則27条3項)