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【遺言】コロナ感染。急いで遺言書作成したいときは?

東京都国立市 アイリス法務行政書士事務所の加藤貴世です。


今回は、「コロナに感染。急いで遺言を作成したいときは?」です。


まだまだ感染拡大が続いているコロナウィルス。

感染者の人数が増えるにつれ、コロナウィルスもすぐ近くまで忍び寄ってきているようで、不安な日々が続いていますね。

ニュースなどでは、軽症だと思っていても、突然重症化するケースが報道されていて、決して油断できないウィルスなのだと感じます。


PCR検査で陽性が判明した後は、周囲への感染を防止するために、多くは入院や隔離がなされます。そうなると、自筆証書遺言や公正証書遺言を作ることは難しくなるでしょう。

自筆証書遺言はすべて自書しなければなりません。遺言書が何枚にもわたった場合、自筆する体力や気力が続かない可能性があります。

公正証書遺言や秘密証書遺言も、公証役場に出向かなくてはなりません。公証人に出張してもらうとしても、この状況下ではそれも難しいでしょう。

では遺言書作成を諦めなくてはならないのでしょうか?



特別方式の遺言を利用

民法では、このような普通方式の遺言を作成する余裕がない状況でも、作成要件を緩和した特別遺言を規定しています。

その中で、コロナウィルスで入院・隔離されている状況でも利用できる遺言は二つあります。

① 危急時遺言~一般危急時遺言

② 隔絶地遺言~伝染病隔離者遺言



危急時遺言~一般危急時遺言

死亡が迫っているなどの特別な事情がある場合、次の要件を満たせば一般危急時遺言をすることができます。(民法第976条)


(1) 疾病その他の事由によって死亡の危急が迫っていること

(2) 証人3人以上が立ち会うこと

(3) 遺言者が証人の1人に対し、遺言の趣旨を口授すること

(4) 口授を受けた者がこれを筆記すること

(5) 口授を受けた者が筆記したものを遺言者および他の証人に読み聞かせ、または閲覧させること

(6) 各証人がその筆記が正確なことを承認した後、これに署名押印すること


危急時遺言は他の遺言とは異なり、遺言の日から20日以内に、証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に確認を求めないと効力が生じないとされていますので、注意が必要です。

また、遺言者が危急状態から脱して、普通方式の遺言ができるようになってから6か月が経過した場合、作成した危急時遺言の効力は生じないとされています。その時に、将来的に有効な遺言書が必要であると感じたら、普通方式の遺言書(公正証書遺言や自筆証書遺言など)を改めて作ると良いでしょう。



隔絶地遺言~伝染病隔離者遺言

民法第977条

伝染病のため行政処分によって交通を絶たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立合いをもって遺言書を作成することができる。


つまり、警察官一人と証人少なくとも一人がいれば、隔離された状況でも遺言書を作成することができるのです。ただし、危急時遺言と同様に、遺言者が普通方式の遺言をすることができるようになってから6か月間生存するときは、遺言の効力は失われます。その際には、普通方式の遺言である公正証書遺言や自筆証書遺言に作成し直すと安心です。



ぜひご相談ください

危急時遺言も伝染病隔離者遺言も特別な遺言であり、遺言形式や遺言内容に問題があれば、普通遺言と同様に、遺言自体が無効とされてしまう可能性があります。

そのような事態を避けるためにも、作成の際には、一度行政書士などの専門家にご相談ください。そして、遺言を残しておきたいとお考えの場合には、早めに準備されることをお勧めします。



女性行政書士が丁寧に対応いたします。

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