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【遺言】遺言日と押印日のズレ

東京都国立市 アイリス法務行政書士事務所の加藤貴世です。


今回は、「遺言日と押印日のズレ」についてです。



遺言日と押印日が違っていた

自筆証書遺言書に記された日付と押印した日付が異なる場合に、遺言書が無効となるのかが争われた裁判で、2021年1月18日最高裁判所は「遺言の方式を必要以上に厳格に解釈することは、かえって遺言者の真意を損なう」として、遺言を無効とした2審判決を破棄し、審理を高裁へ差し戻しました。


この裁判は、入院中の男性が3階建て家屋などを内縁の妻に送るとした遺言書を書き、その1か月後に弁護士の前で押印したというもの。男性は押印した3日後に亡くなりました。そして、男性の妻が、遺言書作成日と押印日に1か月近いズレがあるとして無効を訴えていました。



民法では?

民法第968条では、


自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。


と定められています。

ここでの日付は、明確に規定されてはいませんが、自筆証書を作成した1つの日付を想定しているはずです。いくつも日付があっては相続人を混乱させる原因となりますし、偽造された遺言書ではないかと疑いをかけられかねません。



無効となる可能性は残る・・・

以前の判決では、「自筆証書遺言に記載された日付が真実の作成日付と相違しても、誤記であること及び真実の作成の日が遺言証書の記載その他から容易に判明する場合には、右日付の誤りは遺言を無効としない」とするものもありました。

だからと言って、複数の日付を書くことはお勧めしません

その遺言書が無効とされてしまう可能性が残るからです。



遺言内容と遺言形式には注意

自筆で遺言書を作るときには、遺言者以外の人が遺言書を読んだときに、分かりやすい内容で、誤解を生じさせない書き方をすることが必要です。

遺言書の内容を実行するのは、相続人や遺言執行者です。

その場に、遺言者はいません。

後から、「あ!書き間違えた・・・」と思わぬよう、

内容をよく考え、形式に不備はないか十分な注意をして、遺言書作成をしましょう。

作成後は、遺言書に不備はないか確認のために、行政書士等の遺言書を熟知している専門家によるチェックもご検討ください。



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